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タイトルRe: タービン破損について
投稿日: 2003/04/24(Thu) 22:21
投稿者: 吉井_@_福岡

Re: タービン破損について まさひこ_@_大阪 さん、MORIMORIさん、みなさん、こん○○は。

吉井_@_福岡です。

ちょっと誤解を招きタービンを壊してしまうかもしれない記述がありましたので、基本
的なところをフォローしておきます。

タービン破損を起こさない為の対策の記述で

> > ○エンジンを停止後すぐに一度エンジンをかけ(数秒)タービンにオ
> > イルを送る。タービン内のオイルが高温で無くなり次回エンジン始動の
> > 際のオイル切れを無くすのだそうです。

とありますが、この行動はできる限り避けるべきだと思います。
《長期間エンジンを始動せずに起こるオイル(油膜)切れ等の対処の場合を除く》

もし、この記述をフォローするとしたら
「走行後、エンジンを誤って直ぐに停止させてしまった場合は、タービン内部のオイル
循環が停止しタービン(特にシャフト部分)の放熱ができなくなり最悪の場合は高温化
によるタービン各部の油膜(オイル)切れが発生し、シャフト等の焼き付きを発生させ
るため、直ちにエンジンを始動しタービン内のオイル循環をおこない各部を冷却させる
必要があります」

というように解説しておきます。

一度エンジンを停止させるということは一時的ではあっても放熱を妨げる行為となりま
すので基本的に避けるべきです。

この理由として、デリカの場合は、通常(スポーツ車や特殊車を除く)のターボ付の車
に比べ、元々のブースト圧高めに設定されていることにも起因します。
ちなみに、ウエストゲートアクチュエーターの動作標準値が4D56バン:0.84kg/cm2、
4D56ワゴン:0.94kg/cm2、4M40:0.91kg/cm2となっています。
通常のターボ車は0.6~0.7kg/cm2程度ですから如何にタービンやエンジンに高負荷がか
かるかは予想できることと思います。

また、EGRの機能のひとつに排気温度を下げるという重要な機能があります。
高ブーストなうえEGRカットを施しているということは、排気温度は更に高温となり
ます。
もちろんタービンは灼熱状態で悲鳴をあげることでしょう。

さらにボディ形状からもエンジンルーム内の排熱もあまり良いとは言えません。

通常、ターボ車に乗られる方は「ターボタイマーの使用」もしくは車メーカーの取扱説
明にある「運転後はしばらくアイドリングさせる」等の対策を取られる事は当然な事か
と思います。

よって走行(特に高負荷運転)後は、特別な事情(事故とか火災等の危険性)がない限
りエンジンは直ぐに停止すべきではありません。

【ここからはEGRの件に関する内容ですが関連性があるので】
EGRをカットすることによる黒煙問題の対処の裏に潜むエンジン(タービン)の高温
化による車の寿命を著しく縮めるような扱いはおこなわないようにすべきだと思います。

EGRカットによる高温化弊害、EGR戻し(機能回復)による黒煙弊害、いずれもE
GRがきちんと機能していない故障(設計ミス)が根本的な原因ではないでしょうか?
言い換えると車製造メーカーの反社会的行動が問題のように思えます。

エンジン(タービン)の短命化、もしくは排気ガス(環境)問題に対し製造メーカーは
きちんとした対応、いわゆるリコールをすべきです。

以前にも書きましたが「まじめ、まじめ、まじめ」?!なんて誤魔化しは勘弁願いたい
ものです。

そうそう、今週の初めにある方のSGのタービンを分解(部分的オーバホール)をおこ
ないました。

車両の状況は
・走行14万キロ
・ターボタイマー作動
・オイル交換等もしっかりおこなっている
・EGRカットされている

タービンの分解前の状態は
・インペラを指で回す(もちろんエンジンは絶対停止させておいてくださいね)と回転
 するがやや重く慣性的回転はしない
・タービン軸のガタは特に見られない(通常範囲)

といったものです。

特にトラブルはなく走行には全く問題ないのですが、たまにターボ付近から異音がする
とのことでした。
結果としては「タービンシャフトが焼き付き」を起こしていました。
画像を添付しておきますのでご確認ください。

走行に問題が無くてもジワジワと熱害等によるダメージが拡大し、そのまま走行を続け
ると最後はブローとなる前の状態でした。
みなさんのデリカ(SW・SG)も要チェックですよ。
※ちなみに新品のタービンコアでしたらインペラを指で回すとクルクル慣性回転します

最後になりましたが、車の整備時は充分な安全を確保しておこなってくださいね。

ではでは。


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