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タイトル黒煙の原因
投稿日: 2004/06/23(Wed) 08:20
投稿者: kazuhiko

はじめまして。平成7年SGに乗っています。

一般的に言われる黒煙の原因は、燃料過多による不完全燃焼とされています。燃料と空気の比率(バランス)が崩れているという説明です。

ガソリンエンジンの場合には、理論空燃比(もっとも燃焼に適した空気と燃料の混合比)近くで燃焼できるように、燃料噴射量に応じた空気量を制御しています。

しかし…ディーゼルエンジンでは、話が全く異なります。殊に、電子制御になる前の機械式制御のディーゼルエンジン(平成9年までのSG)では、エンジンに送られる空気は、常に全開。燃料噴射量と空気の因果関係は全くありません!燃料噴射量は、アクセルの踏み具合だけなので、燃料に対して空気が不足することがあります。

ですから、世間でよく言われることは、エアエレメント(エアクリーナー)が詰まっていると、空気が不足しがちなので、エレメントを定期交換したら直ります…

実際には、そんなに単純な話ではないんですが…
黒煙が、不完全燃焼によるものだということは共通して言えることなのですが、空気が増えればそれでいいのか?
完全燃焼させるためには、燃焼温度は高い方がいいです。しかし、燃焼温度が高くなると、排気ガス中のNOxが増大します。NOxを抑制するために、排気ガスをエンジンに再循環させて燃焼温度を下げてやります。それがEGRという装置。黒煙を減らせばNOxが増え、NOx減らせば黒煙が増えるというのが、ディーゼルエンジンの悩みの尽きないところです。
エンジンには、燃料と新鮮な空気だけが取り入れられるのではなく、EGRとして戻ってくる黒煙まじりの排気ガスや、ブローバイガスを大気放出させないために、シリンダーから吹き抜けたエンジンオイルもインテークポートに戻ってきます。エンジンオイルはすすで真っ黒け… 時間の経過とともに、本来は燃焼に適さない不純物がエンジンには堆積してきます。こういったものが増えるのも、黒煙を増大させる要因のひとつです。ディーゼルエンジンのエンジンオイルには、洗浄効果の高いものが使われており、こまめに交換してやることで、こうした不純物を洗い流してやります。

エアクリーナーの交換と、エンジンオイルの交換は必須条件ではありますが、これだけでは解決しないことも多々あります。
一応、セオリー通りの対策としては、①空気量を増やすための対策、②エンジンに堆積した不純物の除去、③燃料の完全燃焼促進 などが基本的な考え方ですが、EGRバルブの不良など、予期せぬ原因もありますから、これで一発解決というようなコメントは、難しいですね。

ひとつひとつトライして、地道に原因を潰していくしか方法はないかもしれません。


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