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タイトルRe: 思いつきの発言で恐縮です
投稿日: 2004/06/07(Mon) 22:46
投稿者: kazuhiko

はじめまして。平成7年SGに乗っています。

> さて、全くの思いつきですが、SGのディーゼルに他社(T社最新ディーゼルEG用とか)で使用しているポンプやインジェクターは流用できないのでしょうか。
> 欧州ではディーゼルEGが主流のようですが、環境性能・燃費・パワーを満たすには燃料が理想状態で燃焼することが必要だそうです。
> このために「より高圧で燃料を噴射し、粒子を細かく拡散させる」ことが必要だそうです。
> ・高圧縮が可能なポンプ
> ・高圧の燃料を精密に噴射するインジェクター
> ・燃調制御のコンピューター
> これらがうまくいけば、燃費・環境性能・パワーの一石三鳥になりそうな気がします。
> 当方はEG関係の知識に乏しく技術的なことはサッパリですので、詳しい方々の見解をお聞かせ願えれば幸いです。


日本では悪者扱いされるディーゼルも、欧州ではそれなりに市民権を得ているらしいですね。ただ、それには、おっしゃるとおり、「環境性能・燃費・パワーを満たすには燃料が理想状態で燃焼することが必要だそうです。」 まったくその通りです。
実は、欧州と日本では、ディーゼル燃料の成分が若干異なるために、かつては欧州からのディーゼル車は日本国内で走らせるには不適当でした。本国での性能が日本では発揮できないらしい。(中東から輸入している原油は硫黄分が他の地域の石油よりも多い)
この問題は、軽油中の硫黄分が大幅に削減された現在、ほぼ解決されているかと思いますが(欧米の低硫黄軽油と日本のそれとは、潤滑性向上のための成分が違うので、将来的な主要部品の耐久性については甚だ疑問です) 燃料に関しては、日本国内でも、もっとバイオディーゼル(植物油から造るディーゼル燃料)の研究が進みといいのにと思っています。

他社の部品を組み合わせるという発想には、非常に興味があります。ちょっと現実的ではありませんが… たとえば、4M40のエンジンに使われている燃料噴射ポンプ。スペースギアに使われているゼクセルのポンプにも何種類もあるようですが、三菱ふそうで扱っているトラック系の4M40には、また違うポンプが使われているとか。なにやら、30万キロの耐久性を持つとのこと。
技術的な難しさからすると、他社のエンジンをそっくり積み替えた方が現実的かもしれません。ガソリン車優先で技術革新が進んできた我が国にとって、ディーゼル技術は後手後手に回っています。デリカ系に多く使われた4D56エンジンのベースは、53年排ガス規制当時、2000ccクラスの三菱のガソリンエンジン(B56型だったかな?)をもとにつくられたそうな。
ガソリンエンジンが電子制御噴射になってから20年近く経つと思います。スペースギアのディーゼルが電制になったのは7年前。高圧縮で、品質にばらつきの多い燃料の使用を
前提としているため、技術的には玄人でも難しいのだとか。ガソリンエンジンのインジェクターの圧力はせいぜい15気圧くらい。従来型のディーゼルではその10倍の150気圧前後で噴射しています。最新のコモンレールは、桁が更にひとつ違う… 燃焼状態も、ガソリンの空燃比とは比べ物にならないほどの差があります。アイドリング状態のディーゼル空燃比はもっとも希薄な状態では100:1にも達するといいます。殆ど空気だけでエンジンが回っています。

オイルショックの副産物のような生い立ちをしてきた小型ディーゼルですが、開発には非常に難問が多いようです。ディーゼルなんか!!…といわれながらも、ディーゼルのデリカを乗り継いでいる私ですが、重量のあるデリカにとっては、低速トルクのあるディーゼルは、相性がいいと思います。(前期型のATとの相性は最悪ですが)


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