タイトル | : AT製造メーカー側の意見 |
投稿日 | : 2009/12/14(Mon) 00:14 |
投稿者 | : kazuhiko |
こんばんは。平成7年SG(2800DT)に乗っています。
ATFについて、立場の違いから、見解の分かれる意見もあるかと思いますが、
昨日は、静岡県富士市に本社・工場のある、某ATミッション製造メーカーの、
元苦情担当者の方とお話しする機会があったので、ちょっとだけ。
※SGのATミッションは、このメーカーのATではありません。
お車のATが壊れたと言う苦情や、相談を永年受付けてきた担当者の方からの
アドバイス。
(1)ATFは、必ず自動車メーカー指定のフルードを使ってください
・ATメーカーとして、耐久性試験を行っていますが、その際に使用しているのは、
自動車メーカーが指定したATFですから、それ以外のフルードを使用した場合の
責任は負えません。
・ATFには、潤滑油のほか、様々な添加剤が加えられているのですが、自動車
メーカーにより、添加剤の内容が異なる場合もあり、指定以外のフルードを使用した
場合の悪影響等については、ATを製造しているメーカー側としては、関知して
おりません。
(2)ATFが劣化したことによる故障の原因 → お車の使い方に起因するもの
●空吹かし等は油温上昇による故障の原因
・ATFは、作動油としての役割だけでなく、潤滑油として、ATの各部を潤滑して
いますが、ATF以外の各種潤滑油同様、あまりに高温の状態にさらされると、
本来の潤滑性能を維持できなくなります。
・ATFが劣化するのは、おおよそ130度くらいに達した時点で、駄目になって
しまいますから、その範囲を超えないような運転の仕方を心掛けてください。
・雪道やぬかるみでスタックした場合、自力で脱出しようと試みて、アクセルを
踏み込んでも、タイヤが空転してしまう場合は、むやみに空吹かしを繰り返さないで。
・タイヤが空転して、空吹かしをすると、AT内部の油温が急上昇して、AT内部を
痛めてしまいますから、スタックした場合には、アクセルを踏み込んで、タイヤが空転
してしまう場合は、せいぜい、4~5回でやめておくべきです。10回も20回も
アクセルを踏み込んで、油温が上昇してしまうと、ATの寿命を縮めてしまいます
から、そうなる前に、救援を依頼して、自力での脱出は慎むべきです。
●水の影響
・ATFに水分が混入した場合には、必ず壊れます。
・ATのクラッチは、紙を貼り合わせたような摩擦材を使用していますから、ATFに
水分が混入すると、摩擦材がもろくなって、はがれてしまうために、短期間で壊れます
。
●潤滑不良
・走行中に、Nレンジに入れて走行を続けると、バルブが閉止したことにより、
ATFによる潤滑がいきわたらなくなり、急激に油温が上昇し、ギアの潤滑不良を
起こして、故障の原因となります。
※下り坂で、燃費節約と称して、Nレンジで走行はしないでください。
※AT車を牽引する場合も、同様のリスクを負います。
※信号待ちなどで、停車中にNレンジへ入れることは、この限りではありません。
上記はあくまで、メーカーサイドとしての見解です。
このあと、もう少し個人的な話をしたのですが、メーカーとしては、通常の公道走行を
想定した耐久性試験しか行ってはおらず、オフロードでの走行や、山間部での負荷の
大きな走行状態は、想定外だということがわかりました。
当初、1万キロごとにATF交換をしているkazuhikoに対して、そこまで短期間で
交換する必要はないと話していた担当者ですが、実際に、砂浜等でもがいた際の
油温の上昇(AT警告灯が点灯する)や、山間部での高負荷時の油温上昇について、
話し込んでいくと、返答しなくなってしまいました…
少なくとも、kazuhikoのSGの乗り方は、メーカーの想定外であるということは、
はっきりしたかもしれません。