タイトル | : Re: 【4WD】D5前後駆動配分 |
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投稿日 | : 2010/11/04(Thu) 00:26:28 |
投稿者 | : よっしー |
車の左右輪にはデフがついています。
これが無いと、舗装路等でカーブを曲がる時に回転差が調整できません。
片輪だけ引きずった状態になります。
デフは左右輪の回転を調整します。
4WDは前輪も後輪も駆動させます。
さて4WDの場合前後の回転差はどう吸収するのでしょうか。
舗装路の車庫入れを想像してください。
後輪より前輪の方がより多く回転します。
この為、4WDは前輪と後輪の間に機械式なデフであるセンターデフを入れました。
ここで困ったことが起こります。
デフは片方が完全に浮いたりして空転したときにもう片方が止まってしまうんですね。
左側の車輪が浮いてしまうと、右側の車輪も止まってしまうんですね。
前後でも同じ事が起こります。
前輪が空転すると、デフのせいで後輪も止まってしまうのです。
何の為の4WDでしょうか。
そこで、ぬかるみ等のタイヤが滑りやすい道路ではセンターデフの回転差の吸収を止めさせるために機械的なデフロックの機構とそのスイッチを設けました。
機構をよく理解していれば、このメカニカルなデフロックが一番ロスが少なく悪路走破性が高いことがわかります。
ところが、よく理解してない人が家の車庫入れでデフロックのままだったり、いろいろ問題がありました。
そこで、デフロックのスイッチの代わりに、電子制御多板クラッチ(昔はビスカスカップリング)を付け自動的にセンターデフの働きを制限するようにしました。
つまり、舗装路では機械式センターデフによって4輪を駆動するようにして、さらにLSD的に電子制御多板クラッチを使います。
これを発展させたのがランエボです。
さて、そもそも機械的なセンターデフなんか付けないで電子制御多板クラッチだけで十分だろうと考えたのが、今多く出回っている電子制御の多板クラッチによるアクティブトルクスプリットです。
これは、舗装路等のカーブでは後輪のトルクを減らしより2WDに近く、雪道等の滑りやすい路面では後輪へのトルクを自動的に増やしたりします。
どれだけ後輪にトルクを送るかは、CPUが前輪のすべり具合、車のヨー等を総合的に判断して決めています。
さて、悪路の走破性ですが、多分機械的にロスの無いデフロックが一番高いと思います。
ランエボも悪路走破性は高いですが、ぬかるみではセンターデフの働きを制限する電子制御多板クラッチが働きが大きく、その点では電子制御多板クラッチだけのシステムとそう変わらないのではと思います。
ランエボのすばらしさは舗装路でより発揮できると思います。
ミニバンであるD5にどこまで期待できるかですが、コストを考えれば今のシステムで十分ではないでしょうか。
雪道などでもとても安定していますので、私的には気に入っています。
ただ、人それぞれでもっと舗装路でのサーキット的な走りや、逆に悪路での安定性を求めるいる人もいると思います。