DELICA BBS Part2 (10000以降の過去ログ保存)

タイトル症例 施工例
投稿日: 2012/03/04(Sun) 12:53
投稿者: kazuhiko

症例 施工例 パワステ関係の不具合での、過去に診断した症例と、施工例です。

患者様は、PF6W、エンジンは6G72。

--------作業オーダーのメッセージ------

先週辺りからなんですがステアリングを切るとグオングオンと
音が出始めて…。
帰宅してから今まで ステアリングフルードを交換してました。
全量抜きたかったんですが部分的にしか抜いてないため エア抜きも
まともにしてないので フルードを入れても溢れてきています

-----------引用ここまで----------

という訳で、翌朝、依頼車宅へ出向き、症状を診断。
アイドリング時にでさえ、パワステポンプから、ガラガラ音が
響いていて、ビックリ。

現状では、交換部品も持ち合わせがなく、
パワステフルードを交換するしかありませんが、
全量交換のため、ラインを切り離す作業をすると、とんでもなく、
周囲がオイルまみれになってしまうので、やりたくありません。

幸いにも、依頼者様が、1.5リットルほどATFを準備しておりましたので、
ラインは切り離さずに、リザーブタンクから抜いて入れ替えるだけの、
部分交換を繰り返すことで、ある程度入れ替えてやろうと。

作業手順は、下記参照(※4M40の作業例です)
「パワステフルード交換(部分交換)」
http://heartland.geocities.jp/kazuhiko0521/delica/DIY/OIL/PSF1.htm

4M40と違い、6G72の場合は、パワステポンプは、ボンネットを開けて、
運転席側の、目の前にありますので、診断は楽ですし、
リザーブタンクも、作業性のよい場所にあります。
※ディーゼル車は、とにかく作業性が悪いのです。

スポイトで、リザーブタンク内のフルードを抜き取ります。
適量補充したら、エンジンを掛け、ステアリングを切替します。
ジャッキUPして、タイヤが少し浮いた状態で、左右に10回
くらい切り返しを繰り返して、エンジンを止めます。

再度、リザーブタンク内を抜き取り、新油を入れて、同じ作業を
繰り返します。

初回から、3回くらいまではフルードの色が徐々に変わって
きましたが、その後はあまり変化が見られませんので、5回
繰り返したところで、終了。

最初は、アイドリング中(無負荷時)でも異音が大きかったのが、
無負荷時の異音は低減して、ステアリングを一杯に切った時
(負荷時)のみ、異音が大きくなる、この症状は解消しません。

一応、フルードの入れ替えも終わり、エアー抜きも終了して、
試運転をしてもらいました。

どうやら、不具合は依然として残っているようです。

結局、パワステポンプを交換するしかないだろう、というのが、
私の個人的な見解。

このまま、騙し騙し、潰れるまで乗り続けるとどうなるか??
破損したポンプの内部部品の破片が、ライン内に循環してしまうので、
ステアリングリンケージにまで損傷を及ぼす恐れがあり、
このまま乗り続けた場合、高額な修理が待っている、ということ。

ここで、とってもよいアイデアを教えてもらいました。
(名前は伏せておきますが、こちらの掲示板でも、お世話になっている方です。)
ズバリ! ベルトを切って、パワステを殺してしまえばいい!!
凄いアイデアですね~ でも、理にかなっております。
何故なら、エンジンからダイレクトにギアで動力を取り出している、
4M40の場合は無理な話なのですが、6G72は、パワステポンプは
ベルト駆動のため、ベルトが回らなければ、ポンプも動かず、
異音もしないし、故障したポンプの破片がラインを詰まらせる
心配もない、ということになります。

車のオーナーいわく、それは嫌だということで…
とりあえず、中古のパワステポンプを探すことにします。
<つづく>


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